2016年から本格的にスタートした電力自由化。今までは全国の大手10社の電力会社が地域別に振り分けられていましたが、この電力自由化によって複数の新電力の中から、好きな電力会社のプランを選べるようになりました。

 新電力へ切り替えることに関心がある人も多いと思いますが、ほとんどの方は「電気代が安くなる」ことを期待しているのではないでしょうか?

 しかし、「安かろう悪かろう」では不安です。安い電力を選択する場合のリスクやデメリット、さらに「電気代の節約」以外にもメリットはないのでしょうか?

 そこで、新電力への切り替えについてのメリット・デメリットや疑問点について触れてみたいと思います。



目次

新電力のメリット

新電力のメリットの代表的なもの
  1. 毎月の電気代が安くなる
  2. 環境に配慮した優しい電気を選べる
  3. スマートメーターを早く設置できる

新電力のメリット① 毎月の電気代が安くなる

 やはり、一番期待されていることは電気代が安くなること。

 消費税も上がり、家計の見直しを考える際に、毎月の固定費を安くできるのは魅力的です。しかし、日本全体の80%世帯以上は、まだ新電力に切り替えていないようです。

 各電力会社は、お得な料金プランを提示しています。ご自身の家庭のライフスタイルに合わせてプラン選びをしましょう。

 家庭によってライフスタイルは様々です。ひとり暮らしの方であれば、ほとんど電気を使っていない場合もあるでしょう。昼型、夜型等の特徴がありますし、めったに使わない別荘へも毎月基本料金を支払っている方もいます。

 新電力会社の中には、基本料金が無料というところも数多くあります。

 標準的な4人暮らし世帯を一例にとると、関西エリアの4人暮らし世帯では、使用量が月437kWhで試算すると関西電力よりも年間2万円近く節約できる新電力会社もあります。

 年間2万円の節約なら、一手間かかっても切り替え手続きした方が良さそうです。

 ただ、ご家庭のライフスタイルに合わない電力会社、プランを選ぶと、逆に電気料金が高くなってしまうこともありますので、注意が必要です。

 各新電力会社の料金シミュレーションで簡単に調べられるので、試してみましょう。

 まずは、電力比較サイトで、どんな感じか試してみましょう。

新電力のメリット② 環境に配慮した優しい電気を選べる

 再生可能エネルギー を中心とした「 エコ 」な電気や、「 地元 」で作られた電気ということを売りにしている新電力もあります。そうした電気を選ぶこともできます。

 「再生可能エネルギー100%」や「再生可能エネルギー30%」というプランを選ぶことも出来ます。CO2排出量が大手電力会社より大幅に少ない会社もあります。

 ただ、再生可能エネルギーの割合を高くすると、コストも高くなり、電気代も高めになる傾向はあります。

 現状では、再生可能エネルギーの割合が高いプランを選択しても、料金がバカ高くなる程でもなく、上手くバランスをとった料金体系になっているようです。

新電力のメリット③ スマートメーターを早く設置できる

 スマートメーターは、新電力会社特有のものではなく、いずれ全世帯に設置が予定されているものなのですが、新電力に切り替える時にスマートメーターが無料で設置されます。

 スマートメーターは、電力使用量を計るだけでなく、通信機能をもった電力メーターで、30分に一度、リアルタイムの電力使用量データを計測しています。

 そして、新電力によっては、そのデータをスマホ等を通して簡単に見るサービスが提供されています。

 この電力使用量がタイムリーに見えることで、節約意識が高くなり、より節約につながるとも言われています。

 今までは、検針票「電気ご使用量のお知らせ」が月に一度届くだけだったので、実感が薄かったと思うのですが、スマートメーターのおかげで電力使用量そのものをリアルに減らすことが出来るようになります。

新電力の疑問点

 電力自由化が2016年に本格的に始まってもう数年経ちました。しかし、8割以上の世帯では、まだ以前の電力会社のままということです。

 新電力への切り替えで料金が安くなるとわかっていても、切り替えない理由はいくつか考えられますので、新電力への疑問点としてまとめてみると、

新電力への疑問点
  1. 電気の品質は同じ? 停電の復旧とか遅くなる?
  2. 倒産・破産したらどうなるの? 電気が止まるの?
  3. 新電力会社への切り替えは面倒?
  4. アパート・マンションでも切り替え出来る?

 これらの疑問点について、説明していきたいと思います。

新電力の疑問点①
 電気の品質は同じ? 停電の復旧とか遅くなる?

 料金が安くなったとしても、心配なのが安定供給されるのか? ということでしょう。さらに「停電」したときどうなる? ということです。

 最近は災害も多いので、停電になった場合、新電力の家庭の復旧が遅れてしまうのか? と考えてしまいます。

 結論は、電気の品質は変わりませんし、停電リスクについても、心配する必要はありません。

 新電力会社に切り替えても、以前と同じ送電網を使うので、特定の電力会社だけ停電が増えることはありませんし、停電からの復旧も、新電力のお宅だけ復旧が遅れることもありません。周りの家と同じタイミングで停電も復旧もします。災害時に差別されることはないです。

 ですから、自宅に最適の新電力プランを選べば、安さ安心両立するんです。

新電力の疑問点②
 倒産・破産したらどうなるの? 電気が止まるの?

新電力の倒産・破産はあり得る? ⇒ あり得ます

 では、新電力会社の倒産・破産はあり得るのでしょうか? 当然ですが、電力市場に競争原理が働いているので、すべての新規参入企業が成功するとは限りません。

 小売電気事業を行う会社によって電力供給のノウハウや技術力が当然違いますし、大手電力会社も小売電気事業者として電力供給を行っています。ですから資本力においても当然ですが相当違います。

 想定外のトラブルが起きた時の対応次第でも、倒産の原因になることもあり得ます。

新電力会社が倒産しても電力供給は止まらない ⇒ 消費者を保護する仕組みがある

 もしも、新電力が倒産したら、私たち消費者はどうなるのでしょうか? すぐに電気が止まってしまうのでしょうか?

 結論は、新電力会社が倒産しても、いきなり停電にはなりません。電気は今までと同じ電線を通じて家庭に送られてきます。電力会社が倒産したからといって、すぐに電気が使えなくなるということはありません。

 実は、新電力会社が倒産しても消費者が保護される仕組みがあるので大丈夫なんです。

 例えば、東京電力や関西電力といった大手電力会社が、倒産した新電力会社の分についても引き続き電気を供給することになっています。全国10社の大手電力会社がリスクを負ってくれているんです。

 ただ、電力供給の期限があります。大手電力会社から停止日の通知がありますので、速やかに新たな電力会社と契約をすることになります。

新電力の疑問点③
 新電力会社への切り替えは面倒? ⇒割と簡単

WEB申込みで10分程度

 WEBでの申し込み自体は、10分程度で出来ます。ただ、その前に準備が必要です。

新電力申込み前の準備
  • 検診票(電気ご使用量のお知らせ)を用意する
  • 各電力会社の料金シミュレーションを試してみる

①「検診票」は、「電気ご使用量のお知らせ」という毎月各家庭に届いているものです。もし、届いてない場合はWEB上で確認できると思います。

 ここで重要なのが、「地点番号」と「お客さま番号」の項目です。この2つが必要になります。

②各電力会社にはWEB上で料金シミュレーションができるところが多いです。ほとんどの人が料金の節約が目的ですので、事前にどのくらい安くなるのか調べましょう。

 新電力の各社が様々なプランを用意しています。家庭のライフスタイルに合ったプランを選ぶことが大切です。家族の人数、日中は誰かいるのか、夜更かし型……等 を考慮して選ぶことが大切です。

 現在、お住まいの地域でどんな新電力が提供されているのかを知るためにも、電力比較サイトでザックリですが、シミュレーションをしてみましょう。

 電力会社によっては、キャッシュバックで1年目がとても格安になる場合がありますが、そのような特典分を除いても、節約になるかどうか見極めたいですね。



契約中の電力会社との解約手続きは不要

 原則、現在契約中の電力会社への解約の連絡は不要なんです。新電力会社への切り替え手続をすれば大丈夫です。

スマートメーター設置って、立ち会いが必要?費用は?

 新電力へ切り替えると、スマートメーターが取り付けられます。

 スマートメーターとは、電力使用量を計り、通信機能をもった電力メーターなんです。

 通信機能を持っている点が今までの電力メーターと大きく違っていますが、30分に一度、リアルタイムの電力使用量データを計測できるんです。

 そしてそのデータをスマホを通して簡単に見ることが出来たりします。

 このスマートメーター設置ですが、一般的に取り替え工事に費用はかかりません。また工事の立会いも不要な場合がほとんどです。

新電力の疑問点④
 アパート・マンションでも切り替え出来る?

 賃貸マンションやアパートの場合でも、電力会社と個別に契約している場合は切り替えが可能です。
 マンション単位で一括契約をしている場合は、残念ながら切り替えは出来ないようです。

 見分け方としては、自宅に検針票が送られてきている場合は、部屋単位で個別に契約していることになります。

 詳しくは、契約中の電力会社やマンションの管理組合、管理会社等に確認が必要です。

新電力のデメリット

新電力への疑問点
  1. 料金が高くなることがある
  2. 検針票・請求書が有料になる
  3. 支払方法が限定されることが多い
  4. 解約には違約金が発生する場合もある

新電力のデメリット① 料金が高くなることがある

 新電力会社へ切り替えで高くなると考えられている両極端のパターンがあります。

 一つは電気を大量に使うオール電化の世帯、もう一つは、ひとり暮らしなどの使用量が非常に少ない世帯です。

 オール電化の場合は、従来の大手電力会社の方が安いです。例外もありますが、今まで通り使い続けた方が無難でしょう。

 使用量の少ない一人暮らし世帯等は、新電力に切り替えると逆に高くなることもありますので、事前にシミュレーションをしっかり行う必要があります。

 再生可能エネルギーの割合の高い電力を選択した場合も、料金が今よりも高くなることがあります。

新電力のデメリット② 検針票・請求書が有料になる(WEB確認は無料)

 今まで毎月届けられていた検針票(紙)が無くなります。その代わりに、WEB上での確認になります。この方が便利で喜ぶ方も多いのですが、紙で検針票(請求書)が欲しい場合は有料になります。(100円前後)

 ただ、どうしても無料にしたい場合は、WEB上の画面をプリントするという方法もあります。

新電力のデメリット③ 支払方法が限定されることが多い

 大手電力会社は支払方法の選択肢が沢山あります。口座引落、クレジットカード払い、コンビニ払いなど、いろんな支払い方法に対応しています。

 ところが、新電力会社は「クレジットカード払い」を中心としているところが多いです。

 コンビニ払いに対応しているところは少ないですし、対応していても手数料がかかってしまう場合があります。

新電力のデメリット④ 解約には違約金が発生する場合もある

 現在契約している大手電力会社を解約するには、基本的には違約金などは必要ありません。

 しかし、新電力に切り替えた後、解約するとなった場合、違約金が掛かる会社があります。

 まれに、1万円越えの額を請求してくる会社もあります。

 契約する際、この点を注意しましょう。

 違約金が発生する条件と金額を確認しましょう。違約金が発生しない会社も沢山あります。

 違約金無しの新電力会社を選ぶのがオススメです。

 違約金を取らない新電力会社も多いですし、発生する場合でも「1年未満の解約で2千円」というのが一般的です。1年以上契約すれば違約金が必要なくなる新電力会社がほとんどです。

電力比較サイトが参考になる

 2019年12月現在で小売電気事業者の登録数は630あります。実際に新電力のサービスを提供している数はそこまで多くはありませんが、数百社あります。

 地域によっても選べる新電力の数は様々です。現在お住まいの地域で、自分・家族のライフスタイルに合った新電力会社のプランを選ぶのも大変かもしれません。

 まずは、電力比較サイトでお住まいの地域で選択可能な新電力会社とプランの無料診断してみてはいかがでしょうか。



【番外編】実は、プロパンガス会社の変更が、大きな金額の節約になる!?

 プロパンガスを利用しているご家庭に朗報なのですが、実はガス会社を変えるだけで額が全然違ってきます。家庭にもよりますが、電気代よりもガス料金の方が節約効果が大です。

 新電力と同じように、ガス会社の乗り換えも、解約手続きなどの面倒なことは新会社が代行してくれます。一度シミュレーションしてみると、ビックリするかもしれません。

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